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| 「新宿の坂道紀行 相生坂(鼓坂)
白銀町から東西の五軒町へ下る坂(白銀坂とも)と旧国鉄社宅脇の坂。この二坂が平行して神楽坂上台地から神田川低地へと下る。広辞苑によれば「相生」の原義は「一つの根から二本の幹が相接して生え出ること。二つのものがともどもに生まれ育つこと」。相生の松、相生盆、相生結び、相生挿し。つまり「相生」はなかな御お目出度い言葉である。文献によれば相生坂は@一つの坂が途中でY字に別れている、A二つの坂が平行している、B二つの坂が離れて向き合っている、の3タイプに分類され、相生の松や相生の滝からすれば@が最も理想的・正統的坂といえそうだと。しかし「相生」の原義を広義にとらえれば、なにもY字にこだわることはないだろう。「二つのものがともどもに生まれ育つこと」、五軒町は東と西「ともどもに」歴史を育んできたのである。このあたりはもともと沼地。江戸初期(一六五二年)五人の男が白銀町の台地(御殿山)を崩した土で埋め立てた。七年後、五人は小日向に御馬場を築く命を受け、今の相生坂あたりの土取りをえっほい。その跡地を下賜されたところから五軒町に。また西五軒町は国産飛行機誕生の地。東五軒町は鋼ペン先製作所発生の地。だったらもうこの相生坂界隈、いろんな意味で「相生」の名にぴったりではないか。 この原稿は、(株)けやき舎に著作権があり無断転用は出来ません。 |